2029年3月、総理大臣暗殺事件という戦後最大の事件が発生した。被害者の中には草薙素子のかつての上司、501機関のクルツもいた。バトーやトグサたち寄せ集めメンバーと捜査を開始する草薙。「お前たちは私のパーツだ。パフォーマンスを発揮出来ないヤツはパージする」と言い放つ草薙に、「俺たちはパーツか?」と反発するメンバー。事件の背後にあったのは、戦後の義体開発の行く末を左右する技術的障害【デッドエンド】をめぐる政治的取引。さらに「洗脳・ゴーストへの侵入・疑似記憶の形成」を一度に行う電脳ウィルス【ファイア・スターター】の存在も見え隠れする。そして、事件を捜査する中で掴んだ手がかりは、草薙の秘められた生い立ちにも繋がっていたのだった……。暗躍する謎のサイボーグ。総理大臣暗殺の真相。“第三世界”の存在。その先に待ち構える罠。たった1人で己の“戦場”に向かう草薙は、後に残すメンバーに最後の“命令”を告げる。「自分のゴースト(魂)に従え」。残された6人が己のゴーストに従う時、はぐれ者の寄せ集め集団は最高のパフォーマンスを発揮するチームへと変化する。“攻殻機動隊”誕生の瞬間に、世界は震撼する―。
身体の一部、あるいは全部を人工の器官に置き換えること。全身義体は人間以上の能力を発揮することができる。
マイクロマシン技術などを使い、脳を情報ネットワークに接続できるようにしたもの。2028年の日本ではほとんどの人間が電脳化している。
その人がその人間である根拠となる“魂”のこと。電脳化により、他人にハッキングされたり、劣化を伴うが外部記憶装置にダビングすることもできる。
電脳を守るためのファイアウォールのような存在。ハッカーを攻撃する「攻性防壁」や迷路状になった「防壁迷路」などがある。
周囲の風景に溶け込んでその姿を見えにくくする特殊装備。見えにくいだけでなく、赤外線センサーにも反応しないものを熱光学迷彩と呼ぶ。特殊部隊などが使用する。
多数のコンピュータを電子的に同時攻撃し、制圧すること。
電脳の規格が変わることで新しい義体への乗り換えができなくなってしまうこと。
新浜県に位置する本作の舞台。首都は福岡に置かれているが、ニューポートシティにも政府関係の施設は多数置かれている。