6月22日(土)初日舞台挨拶オフィシャルレポート到着!



『攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain』が6月22日より劇場上映を開始したのを記念して、同日東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで、草薙素子役の坂本真綾さん、総監督・キャラクターデザインの黄瀬和哉さん、シリーズ構成・脚本の冲方丁さん、『border:1』監督・絵コンテのむらた雅彦さん、製作総指揮の石川光久さんが登壇する舞台挨拶が行われました。フォトセッションでは、現在コラボ展開中の「PACIFIC RACING TEAM」オフィシャルレースクイーン「パシフィックフェアリーズ」より、有馬綾香さん、武田あやりさんも応援に駆けつけました。

舞台挨拶ではまず石川さんが「日本以上に『攻殻機動隊』というタイトルは海外で物凄く支持をされていて、そういう意味で世界で戦えるスタッフを集めるのが最初のテーマでした。」と打ち明け、ジェームズ・キャメロン監督やクエンティン・タランティーノ監督などハリウッドの監督から「カット割りをせず1カットでアクションシーンを描ける日本のアニメーターは凄い」と評価されていることを紹介し、「黄瀬総監督で日本のアニメーションの凄さを世界に打って出よう」という思いがあったと話しました。

何を置いてもストーリーが大切で「脚本は冲方さんしかいない」と力説する石川さん。脚本をお願いする際にいかに断りづらい状況を作るかが最初の一歩だったと会場を笑わせました。当の冲方さんは「自分も非常に影響を受けた作品でもあるので、新しいものを作れと言われて作れるのか?普通だったら悩んだと思うのですが、石川社長に六本木ヒルズの会員しか入れないレストランに呼びつけられて、僕は食事をするつもりで行ったのですが、勧められた親子丼と一緒にこれも美味いよと士郎正宗さんの資料とメモをどさっと渡されました(笑)。考えさせてくださいと席を立って出ていこうとしても会員制のレストランなので勝手にエレベーターにも乗れず、周りはI.Gのプロデューサーだけで、石川社長は一切悩ませないシチュエーションを作っていたので戦略だなと思いました(笑)。」と笑わせつつも、石川さんの真剣さと熱意、本気さが伝わったようで「ご指名を頂いてここで逃げたら色々なものが廃ってしまうと思わされるのも、石川戦術なのかな」と振り返りました。

さらに劇中の音楽を担当しているコーネリアスについて石川社長は「世界のアーティストが『攻殻機動隊』の音楽をやりたがっていると聞いていて、世界のミュージシャンにやってもらおうかと考えていたのですが、音楽を担当しているフライングドッグから「コーネリアスでいきたい。」という話があり、『攻殻機動隊』はやはり日本発で、それでいて世界で勝負できるアーティストはコーネリアスだという意思が伝わって来ました。最終的には黄瀬総監督が聴いて決定しました。」とその経緯を紹介しました。

全4部作となる『攻殻機動隊ARISE』。その第1話の監督を務めるむらたさんは「絵コンテを作る際にも『攻殻機動隊』なら長い1シーンでじっくり見せることができるだろうと思っていたので、最初からそういったシーンを作ろうと思っていました。」とコメント。またラストの長いバトルシーンでは世界に名だたるアニメーター・沖浦啓之さんが作画を担当したと紹介。さらに作画監督も世界に名だたる西尾さんということで、むらたさんは「凄いスタッフと一緒に仕事ができたのはとても幸せでした。」と感慨深げでした。

そして草薙素子を演じる坂本さんはオーディションのエピソードを紹介。「キャストは何の作品のオーディションなのか詳しい話を誰も聞いていなくて、役柄も草薙素子とは聞いていませんでした。」と驚きのコメント。オーディションに受かった時に初めてタイトルが明かされたのだとか。そして以前に子供の素子(コドモトコ)を『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』と『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』で演じた坂本さんだが、そのことを黄瀬総監督は全然知らなかったことにビックリしつつも「それでも再びご縁を結んでいただいたのは面白いなと思いました。」と率直な感想を話しました。さらにご自身でDVDを購入して全話を観るほど『攻殻機動隊』が好きな坂本さんは「キャストが変わるということについて皆さんがどう思うのか、という気持ちは私が一番分かっているので、そのプレッシャーに耐えられるのも私しかいないと思っています。」とコメント。

そして『攻殻機動隊ARISE』でのキャラクターについて冲方さんは「最初はシンプルに可愛い素子と格好いい荒巻、可哀想なバトーを書こうと思って「この三拍子はいかがですか?」と黄瀬総監督にお話をしたところ、良いんじゃないということで進めました。これまでにない素子の表情がでていると思います。」と話しました。

今後の『攻殻機動隊ARISE』について黄瀬総監督は「現在進行形で『border:2』を制作しています。シナリオや絵コンテを読んで面白いものになっていると思っていますし、『border:1』とは違う切り口でパワフルな作品になっていますのでご期待ください」と力強いメッセージが送られました。

最後に坂本さんから「『攻殻機動隊ARISE』は始まったばかりです。私自身は最後に素子が「誰をスカウトしようかしら」という台詞を読んだ時にゾクッと鳥肌が立ったのですが、どうやって“攻殻機動隊”ができたのかを皆で一緒に見届けていけたらと思います。最後までよろしくお願いします。」とファンへメッセージを送り舞台挨拶は終了となりました。