冲方丁(シリーズ構成・脚本)×坂本真綾(草薙素子役)スペシャル対談


  
『ARISE』はボーナスシリーズ。
笑いのお約束ごとみたいなものも段々出来上がってきましたね。(冲方)
思わずキター!ってファン目線で萌える部分がありました。(坂本)




──border:4のアフレコが終わったばかりですが、いかがでしたでしょうか。
坂本 畳みかけるようなシーンが多くて凄く緊張感のあるお話ですし、結構時間がかかると思ってました。でもみんなすごい瞬発力。むしろ短い時間でしか持たないくらいの凄まじい集中力で挑んでいる感じがあって、濃厚なアフレコでした。実はこのborder:4の台本を頂いた時に「あれ、このセリフ知ってるぞ」って思ったところが何箇所かあって、よく考えたらオーディションで読んだ原稿だったんですよ。
冲方 それじゃあ役者の皆さんには結末が垣間見えていたんですね。
坂本 今になってみればこれがゴールだったのかと。


──border:4では素子とメンバーたちの距離感が縮まった感じですね。
坂本 これまでのエピソードでは、メンバーがひとりずつ集まってくる過程にグッと来てました。それが今回ちゃんと部隊として動き出して、思わずキター!ってファン目線で萌える部分がありました。9課がスタートした場面を見届けたというか。メンバーのみんなも、素子にとってかけがえのない存在になってきたのがわかりますね。
冲方 そいういう意味では、周りのキャラクターを素子の人間味を刺激する形で配置できたっていうことですね。ただ単に戦闘力として集まってきたのではなく、素子の成長にも繋がるような書き方をするのが一番大きな柱でしたから。


──バトーが素子にやられる一面も。
坂本 裸にされましたね。あれは面白かったです。
冲方 裸(笑)。いじめられてる。border:2で素子に負け犬呼ばわりされてから、こういった2人の関係性が描けてすごく良かったと思っています。
坂本 裸にしちゃった後に素子が一瞬顔だけ笑うんですよね。素子って生身の肉体ではないので、基本はあまり息づかいなど生っぽい声は入れないんです。戦闘シーンでも入れてないんですけど、でもあのシーンだけはどうしても「フン」って鼻で笑う声を入れちゃいましたね。


──バトーだけでなく、素子の意外な一面が見られるのも『ARISE』の面白さです。
冲方 時間的には未来の物語なんですが、「攻殻機動隊」ということでは『ARISE』は過去話。ボーナスシリーズって言うんですかね、『ARISE』での笑いのお約束ごとみたいなものも段々出来上がってきましたね。
坂本 いつもバトーで笑うって感じですよね。
冲方 それもお約束。
坂本 ロジコマに素子が振り落とされるところも面白い。「手すりぐらい付けろ!」って、こういうニヤリとするところがいっぱいあって。

──最後にborder:4の見どころを。
坂本 これまで素子はずっとメンバーをスカウトし続けてきましたが、今回でやっと9課として部隊が機能し始めます。その瞬間を是非観てほしいですね。いろんなパズルがピタッとはまる感じです。
冲方 border:4では“チーム素子”が大活躍します。全員が揃った、素子を筆頭としたチームワーク、そして“どつきあい”を楽しんでいただけると思います。